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エイリアスとは
エイリアスとは、実行コマンドに別名をつける機能のことです。長いコマンドに別名をつけて入力の手間を省略することができます。例えばll
と入力するだけでls -lA
を実行するというようなことができます。
alias
コマンドを引数をつけずに実行すると、現在設定されているエイリアスの一覧が表示されます。cshの場合、初期設定は次のようになります。1つめのエイリアスは、コマンドh
を実行するとhistory 25
が実行されるということを意味しています。
% alias h (history 25) j (jobs -l) la (ls -a) lf (ls -FA) ll (ls -lA)
cshの設定は、ユーザディレクトリのルートにある.cshrcファイルで行います。このファイルを開くと次のようにエイリアスの設定が記述されています。
% less /home/username/.cshrc
# $FreeBSD: src/share/skel/dot.cshrc,v 1.13 2001/01/10 17:35:28 archie Exp $
#
# .cshrc - csh resource script, read at beginning of execution by each shell
#
# see also csh(1), environ(7).
#
alias h history 25
alias j jobs -l
alias la ls -a
alias lf ls -FA
alias ll ls -lA
おすすめの設定
rm, mv, cp で常に確認を求めるようにする
rm
コマンドは、初期設定では確認を求めずにファイルを削除します。mv
とcp
は、移動先やコピー先にすでにファイルがある場合に確認を求めずに上書きします。常に確認を求めるように-i
オプションを設定しましょう。
.cshrcの設定例
alias rm rm -i alias mv mv -i alias cp cp -i
ls の実行結果に色を付ける
ファイルの一覧を表示するls
コマンドに-G
オプションを付けるとファイルやディレクトリが種類別に色分けして表示されます。
.cshrcの設定例
alias ls ls -G
上記の設定をしてからls
を実行すると次のように表示されます。ディレクトリは青、実行ファイルは赤、シンボリックリンクはマゼンタで表示されます。
ls の実行結果(背景白)
% ls directory1 directory2 directory3 file1.html file2.html file3.html script.cgi symlink
ls の実行結果(背景黒)
% ls directory1 directory2 directory3 file1.html file2.html file3.html script.cgi symlink
背景が黒の場合、青い文字は見づらいので色を変えてみましょう。環境変数LSCOLORS
をセットすることで色を変えられます。
.cshrc の設定例
alias ls ls -G setenv LSCOLORS gxfxcxdxbxegedabagacad
ls の実行結果(背景黒)
% ls directory1 directory2 directory3 file1.html file2.html file3.html script.cgi symlink
LSCOLORS
の値は22文字のアルファベットで表されます。11種類のファイル属性の文字色と背景色をそれぞれ一文字のアルファベットで指定しています。
11種類のファイル属性とその順序は次の通りです。
- ディレクトリ
- シンボリックリンク
- ソケット
- パイプ
- 実行形式
- ブロックスペシャル
- キャラクタスペシャル
- setuid ビットが設定された実行形式
- setgid ビットが設定された実行形式
- スティッキビットが付いた、他人が書き込み可能なディレクトリ
- スティッキビットがない、他人が書き込み可能なディレクトリ
色を指定するアルファベットは次の通りです。
- a
- 黒
- b
- 赤
- c
- 緑
- d
- 茶
- e
- 青
- f
- マゼンタ
- g
- シアン
- h
- 明るい灰
- A
- 太字の黒で、通常暗い灰に見えます
- B
- 太字の赤
- C
- 太字の緑
- D
- 太字の茶で、通常黄色に見えます
- E
- 太字の青
- F
- 太字のマゼンタ
- G
- 太字のシアン
- H
- 太字の明るい灰で、明るい白に見えます
- x
- デフォルトの文字色と背景色
LSCOLORS
の初期値はexfxcxdxbxegedabagacadです。1,2文字目のexはディレクトリの文字色を青、背景色をデフォルトの色にすることを表しています。同じように9,10文字目のbxは実行形式ファイルの文字色を赤、背景色をデフォルトの色にします。